個人的には現実の枠を離れた架鉄は大好きです。しかし、オリジナルの世界というのは読者になかなか伝えにくく、説明不足や表現力不足によって、せっかくのオリジナルワールドの魅力を伝え切れていない架鉄が多いのは事実ですし、残念なことです。 オリジナルの世界を作るとき、現実の世界は何かと参考になります。現実世界を観察することは、空想世界の架鉄に深みを持たせます。いや、むしろオリジナルの世界を作る人こそ、現実世界を観察してほしいと思います。
たとえば、起動加速力3.3キロ/秒、最高速度160キロの電車を設定しました。このくらいのスペックなら技術的な障壁はありませんが、経済的にはペイしません。ここで何の説明もないと、車両に詳しい閲覧者は「なんかウソくせー」と思ってしまいます。 そこで、上記のスペックを成立しうる理由を考えます。 まず、現実を観察します。なぜ現実の電車はほとんど110キロ?120キロを最高速度に置くのか。調べていくと駅間走行距離やダイヤ、電気代や車両価格などの制約が観察することで見えてきます。
なお、オリジナルワールドをあえて説明せず、断片をたくさん表現して全体像は読者の想像力に任せるというテクニックもありますが、これは上級者向けのテクニックで初心者には向きません(もちろんこれに挑むというのはすばらしいことです。ぜひ挑戦してください)。 架鉄はフィクションです。フィクションであるからこそ納得のいく説明が必要です。そしてそれは現実を観察し、研究し、そしてあなたの世界を読者に理解してもらうための根拠を作るというわけです。
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