1-4 データを見せるのか、物語を見せるのか   
 架空鉄道にしても架空バスにしても、見せ方というものを考えることでより読者から高い共感を得ることができます。 
 架空鉄道でまずさいしょに設定するものは、多くの場合路線や車輌だと思います。その際、たとえば東京から横浜までの停車駅を並べたとします。それはデータです。同じように「2000形電車が4連20本、計80両あります」、というのもデータです。 
 架鉄においてデータは大事です。しかし以下のことは心にとどめておいてください。 
 『ええ架空鉄道part2』で、『年表を読んでいて新撰組が好きになった人はいない』 という発言がありました。架空鉄道にしても架空バスにしても、情報だけを並べたページには、おそらく大部分の人は共感しないと思います。 
 バスの登録番号を1000台並べたところで、作っている本人以外には関心のないことなんです。せいぜい同じ性質のサイトを持つ人が、「すごい保有台数ですねえ」って言うくらいでしょう。そういったコミュニティで楽しむのであれば話は別ですが、より多くの人から共感を得たいのであれば、情報だけでなく物語をつけることをお勧めします。 
 人を納得させるのは情報ではありません。理屈です。人の心を動かすのは情報ではありません。物語です。架空鉄道、架空バスサイトの多くが陥っている罠がここにあります。 
 あなたは鉄道やバスに興味を持ち出したのはどこからでしたか? 
 車両? 沿線風景? 旅情? 機械的興味? 史実? 
 きっかけはいろいろありましょうが、少なくともバスの保有台数や会社の事業規模でないことはたしかだと思います。「バスを3500台持ってるから西鉄バスがすき」「資本金が661億6,624万5,267円だから東武鉄道がすき」なんてきっかけからこの世界に入った人がいるならぜひお目にかかりたい。 
 であれば、自分のサイトにそんなことを載せたところで興味を持つ人はほとんどいない、ということはわかりそうなもんじゃないでしょうか。 
 もちろんそれを載せるな、ということではありません。こと架空交通機関においてこれらは添え物以上の役割は果たさないという意味です。多くの架鉄サイト、架空バスサイトには「添え物」しかないんですよ。そんなところが面白いといわれようはずがありません。 
 実物のバスサイトがデータ並べているだけなのにヒット数を稼げるのは、そのデータが趣味や実用と密接しているからです。架空世界のデータを必要としている人なんてほとんどいないんです。 
 ですからより多くの読者にあなたの世界を知ってもらいたいのなら、データだけでなくどこかに、物語を作りましょう。それはきっと、読者の興味をひきつけるはずです。 
 
 
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